手続きの期限

日本は昔から長男が一族のすべての財産を引き継ぐ代わりに一族全員の面倒を見るという「家督制度」がありました。そうなると他の兄弟姉妹は一切一族の財産を引き継げないことになります。そしてこの家督を法律で保護しようというのが相続放棄の本来の趣旨です。第二次大戦後、家督制度はなくなりましたが相続放棄は「強制ではなく自己申告手続きで」という形で残りました。そのため現在では「家督の保護」というよりも「相続により過大な債務負わされることを回避する」という趣旨で使われるようになっています。しかし一方で手続きの期限が3ヶ月なのは短すぎるという意見も多く聞かれます。昔のように親子関係が深くなくなってきているため、相続財産や債務の調査も難しく時間がかかるものになっています。3ヶ月と言う期限は大戦後に作られた法律がそのままになっている状態です。相続税の改正により相続に対する関心が非常に高い今、この辺りの改正も望まれるところす。

昨今の相続税法の大改正(大増税)により、相続に対する関心の高さは他に類を見ないほどになっています。それまで相続に関心がなかった人たちも財産について話し合いをしたり相続税対策に走るようになりました。となるとどうしてもプラスの財産に目がいきがちですが、マイナスの財産のことも忘れてはいけません。借金はもちろん、連帯保証人などになっている場合も同様です。特に連帯保証は自分が借金をしているわけではないからと相続の場面では軽視されがちですが、相続開始3ヶ月に主債務者が破産して初めて知った、知っていたら相続放棄していたのに、というケースは非常に増えてきています。せっかく話し合いをするならマイナスの財産についても明らかにし、いざ相続が発生したらスムーズに相続放棄の手続きができるようにしておくべきです。景気はまだまだ明るいとは言えません。相続放棄の手続きについては今後需要が増えていく事でしょう。